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Hero's Tale

勇士の物語

 以下の引用文は、名高きべナリアの勇士の生活について興味深い洞察を与えてくれます。普通、これら名高き戦士たちは、完全に鍛えられて初めて姿を現します。彼らは神の創造により完璧に作り上げられた完全なる戦士であるかのようです。しかし、当然ながらそのような完全さは多数の苦労と犠牲を必要とするものです。この文章の著者ノイラは、ようやく彼女の人生の仕事の始まりについたにすぎないのです。

― テイジーア

 大好きなお母さん

 わたしたちは、今月1通だけ手紙を送ることが許されたの。でも、来年もまたいつも手紙を書けるかどうか分からないわ。

この通り、これまでお母さんに手紙を書かなかったのは、わたしのせいじゃない。伝えたいことは一杯あるのに、時間はあまりないの。えーと・・・

 ベナリア市はとっても大きいのよ!六月前にここにつくまで、わたしはこんな場所があるなんて想像すらできなかった。この街の真ん中にある、ここで一番高い議会がある塔からでさえ、この街のはじっこは見えやしないわ。国勢調査員たちは、ここには20万人以上がいるって言っている。信じられる?

 面白いのよ。まるで、トバイアス・アンドリオン自身の亡霊に踊らされているかと思うほど歴史を勉強しているのよ!

 わたしたちはまだ、軍事訓練さえまともに始まっていないわ。実際、ここに着いてから武器よりも食事ナイフのほうがよっぽど激しく使っているぐらい。でも、毎朝わたしたちは変な戦いの舞を練習させられてる。それはわたしたちの教官、勇士タヴィンが言うには、フェイス・ドレンジ(それはシオールタンの「魂の舞」なの ― 見る?覚えたわよ)に基づいてるそうよ。フェイス・ドレンジはベナリアの勇士たちにだけ教えられる命取りの戦闘形式なの。わたしは、それを学ぶ栄誉を受けたのよ。

 それから、わたしたちは勇士ウェインに哲学を習い始めたのよ。今のところ習った中で一番大事なことは、わたしたちは神に選ばれたものなんだってことだと思うの。勇士ウェインは、神の恩寵は母親のそれ以上にわたしたちの相貌を優美にしてくださると言ったわ。そういうわけで、必要とすればいかなる場所いかなる場合でも、神はわたしたちを戦いに呼び出してくださるの。わたしたちは、人生のいかなるときでもお呼びがかかるのに備えなければいけない。ときどき、わたしはそのことについて考えるのが怖いけれど・・・でも、それは刺激的なことだし、大事なことじゃない?

 えーと・・・他に伝えることがあったかしら?そうそう、”小悪党”のことも付け加えるわ。彼らはお母さんが思っているほど悪い人たちじゃないの。彼らはみんな、平民の子供たちなの。でも、とにかく彼らは勇士の階級に入ることを許されているわ。彼らはわたしたちより幼いときに訓練を始める ― そのとき10歳にもなっていない子もいる ― のよ。そして、彼らはいっつも黒い革服を着て頭を剃るの。彼らは卒業するまで髪を伸ばすことを許されないし、大部分はその後も頭を剃ったままにするわ。ここの友達の中には彼らを傲慢だと思っている人もいるけど、彼らもわたしたちと同じだと思っていると思うわ。

 わたしはまだ、勇士の刺青をまだ入れてないの。お母さんはそれを不思議に思うけも知れないけど、わたしたちは訓練の第2年を終えない限り刺青を入れてもらうことはできないの。だから、わたしは自分の氏族の刺青しかしていないわ。

 ダリィンを抱きしめ、子猫のご馳走をわたしに!

愛してる。

ノイラ

P.S. お母さんがくれた猪の鬣の魔除けを付けています。今まで、その運の強いことといったら!

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